秋が来た
今年はなんだかよくわからない病気がわたしを襲った。細々と調子の悪いこともあったし、
悪化するのが怖くてすぐに病院に行った。
医療費は莫大な費用になっている。
副作用で飲めない薬がたくさん溜まっている。
旅行好きのひとのパスポートのような、お薬手帳。
ある人がわたしに教えてくれた。
どうにもならないよ、受け入れるしかない。
そう、病気になってしまったら治すように努力はするけど、悪化してしまったらどうにもならないし、その身体でやっていくしかない。
諦めるしかない。
それを聞いてからというもの、悪化したりよくなったりする身体を、ぼーっと眺めているだけだった。
それはそれは物凄い恐怖だったけれど。些細な変化に一喜一憂して。どうなるかわからないからね、予測できなくて毎日とても怖かった。
朝起きて、恐る恐る声を出してみた。
ああ、よかった、今日は出る。
なにをしても、健康な日なんてない。
いつもどこかが不健康だ。
今日は誰からも連絡がなかった。
いろんなことを少しずつ手離していく1年だったし、これから数年はそんなことが続くんじゃないかと思う。
ああ、やっと、自分が離れていった、
という感覚である。
向上心のある熱い人間である必要もないし、
夢を持たなきゃいけないわけじゃない。
どんどん自由になっていくなあ。
片思いの1年でもあった、
異性関係も、友人に関しても。
両思いって難しいんだな。
暴投しすぎたんだなあと深く反省しているので、これからは名キャッチャーでありたい。
なんて恥ずかしい毎日だったんだろう。
これが老衰というやつか。